診察室の窓から


by italofran55
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生まれ変わりと永劫回帰

フランスで暇つぶしに買ってきた小説を少し読んでいる
guillaume mussoの
seras-tu la? というもの

30年前の自分に出会い、そのどちらかが数奇な人生を歩んでいくという
いわば 時間軸ものですね
アメリカ映画は1年に一本くらいこの手のものが出ますね

著者もフランス人なのに、舞台はフロリダとカリフォルニアとなっています
いずれ映画化を狙っているのかな

アメリカの時間軸物で
精神分析医が美女を分析しているうちに
殺された修道女の生まれ変わりであって
その美女を救う、というようなもので
とても好きでした
精神科医がそんなにかっこいい仕事であったらうれしいんですが

また、筋を忘れた頃に見るのが楽しみです

わたしのclientに 

先生 生まれ変わるとしたらという話題になりました

そうねー 南イタリアの金持ちの息子なんてどう?とこたえると

今度生まれかわるときは 先生はいい目にあわない順番だといってました
わたしがいい目にあっているとでも思っているのでしょうか?

では、あなたは?とたずねると

宗教をしていて、かなり悟った段階なので
生まれ変わりはできないそうなんです

天上界で不老不死ですごすーけっこう、苦しいのでは?
三島由紀夫に天人五衰という小説もありますね

天上の人さえも、衰えて死んでしまうというのです 怖いですー

三島は永劫回帰や生まれ変わりの話が好きな人でした
わたしが読んだ彼の小説の中で
傑作と思うのは
絹と明察 というものです

父を表したと思える企業オーナーと、
労働組合の若き代表との戦いです

若い人は父を打ち破り、企業の経営者になります
彼は、分別のある、父に変身して
世の常識を代表し
変革を忌避していく人間となっていくのです

ギリシアの物語にもある永劫回帰を
三島なりに日本的に書いたものでしょうか

彼は、退屈は死よりも怖いと述べています

永劫回帰は彼の恐怖の対象、成熟できないか、拒否した彼にとっては
必然的に玉砕する相手だったのでしょう

見事に退屈から逃げようとした彼は
あのような死を遂げてしまいました

しかし永劫回帰にとっては死は生であり
生は死なので 何をしても同じなのです

彼は退屈から逃れられたのでしょうか

永劫回帰という言葉には、同じことを繰り返すという
罰の意味が含まれている感じがしますね

あなたもまったく同じ人生を送れといわれたら絶望するのではないでしょうか

そうそう、さきほどの彼女
今度生まれ変わるときは
南の島の猫になりたいといってましたっけ

おやおや、あなたはもう高い段階の人なので
面白いものに生まれ変わりできないんですよ?

先生は今生でいい目にあったので
次回は蚊に生まれ変わるとの予言をいただきました

そうですね、それも面白いかもしれませんc0156217_22284374.jpg
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by italofran55 | 2009-01-29 22:17 | 文学