診察室の窓から


by italofran55
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週刊朝日はクリニック用に毎週取っているので
なにげに読んでいる

Kという婚活詐欺 凶悪犯罪者についてのルポが
はじめは面白くて読んでいた

ジャーナリストっていうのかな単なるルポライターでしょ
最初はおもしろおかしく読んでいたんだけれど
最近読めなくなったし 
何となく吐き気を催すようになった

不美人 売春婦 デリヘル 平成の毒婦 ?
しかし 判決は最高裁まであるんですよ

しかもこの人の親族まで巻き込んでいる
有罪は確定していない

このルポライターは相当いい女だ
銀座のホステスでも通用するだろう

しかし、いいのかな
わたしには平成の毒婦の裏返しに思える
自分を売り出したくてうるうるしている
毒婦という本の出版記念 トーク&サイン会もやるという

犯人には犯人の人権とプライバシーがある

この人はそれをわかっていない
微に入り細にいった人生が全部推測通りともわからない
ジャーナリストとしてははとっくに失格だ
小説家になりたかったのだがだめだったのだろう

わたしにもこんな経験がある
デイケアを取材にきて2時間ほど取材と称して
勝手なことを自分の出版に書いていた
有名にはならなかったが

このたぐいの人たちは自分を売り出すことが
最終目的と思える どんなに才能があっても

その餌食になったのが平成の婚活詐欺師だ
このルポは社会になにももたらさない
成り上がりたいという欲望の産物に
人は踊らされてしまう
言論による集団リンチをしないのが
民主主義の基本ではないだろうか

こんな記事があるならば
犯人も被害者も匿名にするべきと思う

人権が大事だ 弱者のために 
あの寒い北ヨーロッパはそのことに
気がついている
c0156217_2255387.jpg
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by italofran55 | 2012-04-25 22:04 | 社会ねた
c0156217_9411027.jpgしずちゃんはたしかに おかしい といっても
漫才の話だが

脳のほうは異常はなかったらしい
しかし しずちゃんはある意味では
変わっていると思える

漫才を目指す人の中には
変わった人が含まれていると言ってよいだろう
最近わかったが深刻なのは 京都の祇園のひき逃げの犯人さえ
吉本に属していたというものだが

一例を挙げれば 発揚者-hyperthimie いわば いつも元気指向の人
情緒不安定型 自己愛型
双極性障害などが含まれているだろう #実際のクリニック体験からもあり#

広汎性発達障害のなかの 積極的奇異型ーさんまがかわいがっていた ジミー大西などこのタイプではないだろうか

しずちゃんは 平均的なところからいけば 変わっていると言っていいだろう
そういう意味では やはり おかしいのだ
潜在的に おかしい とうところをもてはやされて
医学が出動してしまったと
やぶ医者は考える

個人的に大きくて包容力のありそうなのにときどきviolentな
しずちゃんのファンではある(笑)

写真は現在のシャンパーニュ地方 ブドウが芽吹いているのか?
tarlantというメーカーからのもの
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by italofran55 | 2012-04-19 21:13 | 医学

フロイトのイタリア

c0156217_2222654.jpg友人がブログの更新がないとのおたっしで なにを書こうかと 考えていまして
昨日あたりからふっと頭に浮かんできたのがこの本です

このところフランスは行き過ぎていたのがイタリアに興味が移り
帰国して図書館で片っ端からイタリアという名前のつく本を検索していて
であったのがこの不思議なタイトルでした

京都大学の美学美術史の教授 岡田温司氏の書いた物です
京大関連は結構 分析おたくというか フロイトだいすきな才人というか 天才肌が多い

フロイトとイタリアというと あんまり関係なさそうである
一般的に言うと ウィーン・オーストリア ロンドン・イギリス が思い出されるが
この本は微細にかの国へのフロイトの愛と禁制と接近を描き出す。

なぜこのように書けるのかというと
フロイトの書簡と日記と著作と、弟子たちの似たような膨大な記録があるからであろうと思われるし
それはゲーテのイタリア紀行のフロイト版のようにもみえる。

岡田氏の本はまことに精神分析の鮮やかさを患者ー症状でなく 人間ー文化ー美術の分野で描き出し
精神分析の諸教科書よりその本態をえぐり出しているかのごとくである

さまざまなインスピレーションを与えてくれる岡田氏の著作、とくにこの本の中で
でてくるフロイトの著作の中で不思議な題名の物がある
岡田氏が無意識に読むように薦めている感じさえする

モーゼという男 というもので
それも読んでみる

ユダヤ教の中でモーゼは不思議な位置を占めている
代々の血統を述べているのに 彼は出てこない
だが その教えは教義の根本を形成している

かれは何者なのか?
壮大な推理小説を読んでいくように
フロイトは謎を解き明かしていく
シャーロック・ホームズみたいだ かれもユダヤ人か? 名前からして

モーゼはユダヤ人ではなく
エジプト王族の王子と推定している

世界で初めての一神教 アトン教の熱烈な信者だ
アトン教は初めて 愛と自己犠牲をうたった宗教と言われ
その創始者がじつははじめての意識的な世界人ー個人ともいわれる

多神教であったエジプトに一神教が生まれ
争いが起きる

国が乱れたときに王子の一人であるモーゼが
シナイ半島の地方の総督となり
その奴隷たちに一神教を強制する
神に選ばれし人民である

そこから現代の源ともいえるユダヤ教
ユダヤ教を父として克服したキリスト教が生まれていく

モーゼが始めた実験からである
モーぜはその後40年の放浪の後に
カナンの地にたどり着き
そしてなんと自分の精神的な子供である
ユダヤの貴族たちの殺されたというのである
ここにもエディプスコンプレックスがあるとでも言うように

いろいろな逆転がうまれている
ユダヤ人にとって許せないのは
モーゼがエジプト人であったという説であり
それはエジプト側からもいえる

何という始まりと結末で
何という壮大な物語であろう

これが科学でなくても
第一級の推理小説にして神話ではないか

フロイトのイタリアと モーゼという男を 読み終わり
私は不思議な感動におそわれる

フロイトはモーゼに自分を擬しているのではないかー無意識にしろ
人は誰かを描き出すときに自分を参照しないことがあり得ようか
 
精神分析という危険な教義をひっさげヨーロッパの中世精神世界を打ち破るために登場し
多くの弟子を育て誹謗中傷の中で膨大な仕事をし
ナチスに追われロンドンで死す

弟子には反乱され、多数の宗派がその後発生するが
教祖としての地位は精神ー心理世界においては
モーゼに匹敵するだろう

岡田温司氏の著作は濃い
時間があったら精神科医にとって自分をとても豊かにしてくれる
深さがある 全部読んでしまいたいものだが

日常に追われつい
現代風の精神科医のための便利本を読んでしまうのだ。

わたしにとっては精神分析は患者さんに適応するものではなく
一般人間心理 文化を解き明かすときに
重要な鍵となり得る物である

それは魅力と困惑を思い起こさせる
危険な両刃の心理的メスである
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by italofran55 | 2012-04-17 21:38 | 旅行