診察室の窓から


by italofran55
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欲望という名の禁欲 

食欲のコントロールができない、酒も止まらない
という女性にたまに面接するが

概して美女で、そんなに太っていなくて、性格もストレートで魅力的である

結構、aventureも共通にあったりする

そんな女性のいるバーにいって
飲んでいいめにあってみたいが、そういう勇気はない

eating disorderの女性はある意味
欲望の固まりか、強度のストレスにさいなまされている

食べたいー相手を
愛されたいーやせてきれいな自分を

あるときは食べたいし、あるときはマゾ的な意味で食べられる対象になりたい

過食やダイエットはそうした欲望が交差する

あるいはあるとき正反対な方向のエネルギーとなって
女性の体の中で噴出する

男性と違って外に向かって攻撃性が出にくいように体ができているのであろう

禁欲行動の結果としてのやせも
ある欲望にもとずいている

欲望の司令塔である脳の障害まで突き進むと
やせは永続的となる

ふつうは障害が出る寸前でリバウンドが出てしまい
欲望は節食から過食に転化する

わたしが診るのは
大概が幸運にしてやせに失敗した
美女たちである

彼女たちの誰かは
こんやもうらやましい獲物を狙って
どこかで飲んでいる

そしてsexの延長で思わぬ仕打ちを受けて
目が覚める幸運な男性も今夜発生しているのだろう

わたしはしずかに牛乳を飲んで寝よう
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by italofran55 | 2009-06-23 23:50 | 医学

診断の百年

慶応の浜田前助教授のグループである

退行期メランコリー、遅発性緊張病 の研究、主張の論議が活発である

素人には何のことかわからない

老人のうつ病と明らかに違う妄想的病気が存在し
100年前のクレペリンというドイツの精神病理学者からの
メッセージが復活しているという現代の再提案である

精神科は恐ろしく奥が深いとともに
われわれ一般の臨床をしている医師にとって
診断さえも100年たって定まらないことに
軽い絶望を感じる

精神科の世界では
結構診断名や、診断の範疇そのものがなくなってしまうことがよくあるのだ

しかし、症状や、患者さんは厳然として存在する

うつ病の精神療法に対する考え方も
本当にさまざまである

前帝京大学の精神科の助教授である内海氏は
結局は精神分析のうつ病に対する精神療法の絶望から
認知療法が生まれたのであろうと述べておられる

言葉による論理的治療があるところで
途絶し不可能となる

そこからは薬物治療や感情の一定の深さー安定性を前提とした
認知療法の出番である

ともにうつに対する
人間的対処の絶望からの出立とはいえないだろうか

うつ病の治療に対する光明はないのか

ないだろう

ひとは光明と
ある絶望を抱えてしか生きていけないのだ


ある哲学者が
人の本態は
世界に投げ込まれているとともに
感情ー情態を帯びた存在であるという
そして死が宿命づけられている存在であるとのこと

不安はまさに普段忘れている
死を覗き込んだときから発生しているとも言う

精神科の治療は無意識に希望と絶望の隘路
生と死の隘路からなりたっている

おそらく

そしてふだんはそのことに気がつかないのだ
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by italofran55 | 2009-06-19 00:09 | 医学
感情障害のうつに関するアルゴリズムには

初期投与からある期間を経て
効果が見られないときは

速やかに極量投与が必要とある
ただ、入院が必要な人や、自殺企画の可能性のある人
ともつけくわえてある

これには最近、いろいろな方面から危険性が指摘されている
攻撃性に関する指摘も
そのひとつであるし

セロトニン症候群に対する疑念もそうである

うつの臨床を毎日していて
極量投与が必要である状況は
そんなにない

なぜだろうか
まず外来であるーしかも病院でないー重傷な人が来ない
反応する人は適当量で改善してしまう

うつ病の軽症化もある

うつ病のsub-type 下位分類には
このところいろいろな検証がなされている

逃避型ー広瀬氏
現代型ー松波氏
未熟型ー阿部氏
職場直結型ー加藤氏
不機嫌性障害型ー樽味、神庭氏
(なぜか、東大、医科歯科系に命名が多いか)

重症化より、弱力型の性格ー状況型の分析が多いのである
むしろ薬物療法だけでは解決が遠くなっている可能性もある

うつ症状だけ捉えて
性急に抗うつ薬を急に増やしたらどうなるであろうか

いろいろな不具合が起こる可能性が高いであろう

極量投与の必要な患者さんは
わたしのところでも数パーセントしかいないだろう

むしろ危険のほうが多いと思う

院内処方で薬を出しているところは
無意識に極量を処方しやすいこともあるだろう

うつ病に対する状況的診断が
必要だと思われる
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by italofran55 | 2009-06-15 21:12 | 医学

ナイフのようなあいつ

高校時代の友達だ

いつも怒っていた

大声を出して、教室を出て行ってしまったり

顔を傷だらけにして
学校に来ていたっけ

狂犬のようなやつで
僕も胸倉つかまれたなー

やつは卒業のころまでには
やさしげな態度の男になっていた

荒れていたやつのそんな変身は
結構あるかな

そのごキャリアーフラッグの操縦士になったときいた
格好いいじゃないか

でも、最近病死したとも聞いた
短気なやつは、そんなこともあるのか

悪仲間は落ち込んでいた

今から思うと
あれが、奇妙に青春を表していたような気がする

やるせないエネルギーを、いききらせた両肩で
おもいっきり表現していたんだ

きっと
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by italofran55 | 2009-06-13 19:13 | 歴史

薬物治療は進歩する

現代の薬の発展、進化のスピードはある意味で凄まじい
実際に出る薬以上に、科学生物学的知見の進化がより以上の速度で進んでいるからである

つい最近はips細胞が純粋にアミノ酸ー蛋白質から合成できると出ていたが
私としては腰が抜けたな
ある意味での万能細胞を
素材から造ってしまった

だって神の領域でしょ?
人間はついに神になってしまったのか?

まあ核酸だけの話とは思うが、一歩近づいた事は確かである

実際に人の健康、疾病に大いに役立つ薬として
単純に考えてみれば
抗生物質、抗炎症薬、ステロイド、降圧剤、向精神薬、が多大な人の寿命の延長に寄与しているし

新しい生活改善薬とすれば
脂質改善薬としてのスタチン類ーLDLコレステロール(悪玉)を下げることにより
有意に心血管障害の発病を予防する

降圧薬としてのARB剤 やはり血管障害、腎障害を予防することにより
一般生活の予後をよくする

安定剤、抗うつ薬ー特に不眠症、不安障害、軽いうつ病などではなくてはならないであろうと思われる

知らないところで、薬剤は長足の進歩を遂げているのである

私の最近の経験では
ある種の薬がうつ病に劇的に効く
アメリカではこの薬と抗うつ薬の合剤さえあるほどである

うつ病と診断されてえんえんと多量のSSRIを投与されて
さっぱり改善しない人がけっこういる

もちろん、反応しないタイプ、性格的な問題が主題の人には
薬では解決しない場合が多いが

ある薬が特に効いてしまうこともある
生活改善薬とも思える

薬剤メーカーの研究部長の講演で
今後は予防的なところに薬剤の開発の重点が移っていくかもしれないという
お話があったが

やはり多くのひとびとは
そんな薬剤を待っていることであろうし

break-throughな薬が突然出現することも
今の情勢では十分ありうると思う
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by italofran55 | 2009-06-05 21:54 | 医学
抗うつ薬は攻撃性を増すから注意という番組をまた

NHKが流していた

いくつか疑問点があった

SSRI以外の抗うつ薬でも攻撃性の出現はあるとはいわれている
薬のせいなのか、そう状態への転換の引き金を引いただけかは結論は出ていないと聞く
そう状態で妻を襲ったというが? 殺人未遂のような笑えない暴行はあまり聞いたことがないが
とんまな暴行未遂は結構ある

また躁うつ病だったのにうつ病と誤診されたいたという
これは誤診なのだろうか

現代精神医学の創始者といわれる、クレペリンに帰ろう運動ーうつ病は躁うつ病という循環性の気分障害のひとつであろう
というきわめて現代的な提案さえあり

結果的には同じ診断を下しているだけということもある

誤診ではなく、治療手段の見解の相違であろうか

躁うつ病のうつの極期に抗うつ薬だけは
確かに危険であろうが
誤診というのは乱暴なのではないだろうか

ある女性がSSRIをのんで
コントロールを失ったといっていたが

コントロールを失い かつ
うつと似た症状を示す病気は

重要な精神科の疾患として
べつにもある

いくつかののパーソナリティ障害はそもそも
すべてが自分のコントロール下にないときがすまない性向をもつ

そしてコントロールは破綻しやすいので
そうしたときに、きわめて情動不安定な状態を示す

また解離性障害ー昔の言い方でいえばヒステリーも
自分が何をしていたかわからなくなる

こちらの二つは経験の少ない心療内科などでは
うつと誤診しやすいかもしれない

そうするとSSRIの結果と思われる症状も
原疾患からくるものかもしれないのである

もちろんそれらの疾患に対する
たんなるSSRIの投与は
あまりに単純な治療であるといえる

安易なSSRIの投与には
もちろん反対であるが

またまたこうしたいろいろな角度からの検証を欠いた知識で
一般視聴者に不安を与える番組には
どうかなと思うのである


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by italofran55 | 2009-06-01 20:44 | 医学

隣人の音が気になる

隣人の音が気になる、
聞いているとどうも、自分のほうについてくるし
注意されているみたいだ あるいは 監視されているし
嫌がらせされているようだ

は、精神科医であれば、なんにんかそうした訴えの患者さんを持っているでしょう

機能性幻聴といって、
ハッキリした言葉でなく
騒音や、足音、機械の音ーエアコンとかの形をとります

周りが静かになると聴こえたり
自分の注意が一息ついたときに現れることが多いです

自分の音、声というものは
あるひとつの自己境界を構成する大きな一番大きな要素です
そこに変調がくると

情動ー攻撃性などが自分に向いたり、外(一番近い人)に向いてしまいます
そこでいろいろなトラブルが起きることもあります

投薬治療によって、衝動性や、攻撃性が出ないようにすることは
まあ、ある程度まではできます

いろいろな悲劇をふせぐために
社会的に予防的治療体制を整えるべきでしょうね

話題はかわりますが
うちのクリニックの入っているマンションは相当古く
共用部の下水管が破裂して

今日から工事で
クリニックはお休みです

いただいた、素敵な袋に入った
紅茶を飲んで、ふだんできない勉強や
読書をしようかと思っています

ゆっくりした時間が過ごせそうです
ありがとうございましたc0156217_910517.jpg
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by italofran55 | 2009-06-01 08:59 | 医学