診察室の窓から


by italofran55
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<   2008年 08月 ( 4 )   > この月の画像一覧

精神科で診る頭痛

精神科にこられる方で頭痛だけをうったえる人はあまり多くはない

頭痛だけだと内科、神経内科に行ってしまうかもしれない

精神科に来る人は頭痛のほかにいろいろな症状を同時に持っていることが多い

視力が落ちている、書類が読めない等のことである

ものを見ることと疲労は特に関係が深いらしいー脳生理学より

痛みの種類にもよるし、頭痛の分類にもよるが

精神科の場合には鎮痛薬を与えて終わりということはほとんどないし

鎮痛薬が効かないのでという人も多いのだ

神経学的に異常がないとすれば

その人のおかれた日常のストレスを探る

仕事の荷重が大きく、それをまじめにこなそうとする人に慢性的な頭痛は多いかもしれない

頭痛を起こしやすい精神的疾患としては

慢性的な不眠、うつ病、解離性疼痛性障害、てんかん、統合失調症のあるタイプ

老年性の疾患ー血圧の高い人に多い などがあげられる

それぞれ薬はちがうこともある

ストレスにさらされているひとで、昼間に安定剤や偏頭痛の薬で対応している人もいる

昼間飲むのが面倒であれば

適応によっては

よる寝る前にSSRIのような抗うつ薬を服用すると

昼間の服用の手間が省けるかもしれない

MRIは若い人がとって形態的異常が出ることはまずないが

神経学的異常があるようであれば撮ってみるべき


最初は脳波の検査ほうが有効かもしれない
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by italofran55 | 2008-08-15 13:19 | 医学

人の死を悼む

永井荷風の死の写真をNHKーTVでのせていた

自室での写真まで当時の新聞には載っていたらしい

三島の最後の写真と好対照であるが、

現代の新聞にこういったものが掲載されうるのか疑問である

荷風は胃潰瘍の出血で窒息死という

私は脳出血かと思っていたので意外ではあったが

その孤独の死において、当時の文人の間で論争が起きていた

あるいは褒め あるいは毀損している意見である

だがこの死に方はおそらく現代において予言的であるかもしれない

老人が一人で死ぬことはもはや普通のことであるかもしれないからだ

死に関していえば

現代日本においては非情にも意味のわからない大量殺人において
なくなられる方がいる

これに関していえば

桜井という女性評論家が
すべて憲法のせいであるという意見を述べていて
かなり的外れに感じた
逆に人の心まで変えられるものであれば
こわいだろう

東工大の心理学者は憲法を治したからといって
その現象は減らないと主張していた

明治憲法下においては日本人 非日本人を問わない、大量虐殺が起きている

江成常夫という写真家は
鬼哭の島という番組にて

パラオの島に無数の日本兵が放置されていることを引き合いに

死を悼むことの教育について語る

なぜ人を殺してはいけないんですかという
日本の子供のテレビの質問に

仏教国でないある国の人は
口をあんぐりしたという

人の死は悼むべきである

たとえ死刑囚でも

人を殺すことに
法が立ち入るべきではないのではないか

荷風の死は
幸福な死であろう

戦争に殺されること泣く
人を殺すことなく
病気で死んだのであるから
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by italofran55 | 2008-08-14 00:07 | 文学
タモリの赤塚不二夫という漫画家への

弔辞が話題になっている

原稿をみないで1900字をよんだとか

すべてをあるがままに捉えて肯定すれば

世界は異様な明るさにつつまれる

これでいいのだ なんかについてだ

タモリが天才であったということには文句はない

デビュー当時の
既成のものに対する毒を含んだ芸

今夜はサイコー あたりの日本のレベルを越えたしゃれ

見るに値する芸達者であった

だが私はタモリの弔辞には余り関心はできなかったし
ギャグとも思えなかった。

テリー伊藤が
笑っていいともでも
すべての人に対して これでいいのだと 接している
素晴らしいと いっていたが
そうだろうか 業界の身内のほめ言葉に思えた

タモリはいまや守りに入り
記憶力や判断力が人並み優れているというところをたまに見せて
聴衆をおどろかせているに過ぎない

つくりあげた芸や毒をまったく見せなくなってしまったのである

彼がかなり生きるということに関して
シニカルな感情を持っていることはインタビューなどで披露されていた
おそらく100億をゆうに越す財産を持ってではあるが

わたしには 彼のこれでいいのだという言葉が
救いというより 閉塞感の表れのように感じられる

天才の時間は短い
長く続くはずもない

これでいいのだは 

老成してしまった天才のため息にきこえる
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by italofran55 | 2008-08-12 10:23 | 文学

老い 病気 貧困

後期高齢者医療制度が話題になっているが

最近 単身の高齢者の方の受診も多くなっている

内科の先生の患者さんは、かなりの割合が老齢者ときく

老化すれば、病気が多くなる、経済的力も少なくなる

身内や友達も次第に少なくなる

よりどころが医療ということは十分考えられる状況である

昔 老人病院というものがあった。
けっしてほめられる存在ではなく
寝たきりの老人に、点滴や投薬をして経営を成り立たせていた

その構造が成り行かなくなれば
現在は差額を払える人だけが長期に入院していられることとなる

では、単身の老人が一人で暮らしていけなくなったら
どうなるのだろう

たとえば東京都の区部にある特別養護老人ホームは
何百人まちである。

プライベートな有料老人ホームは
何百万から初回に必要がある

かなりの年金で相殺払いできるケアハウスも物価高により
そうそう成り立っていけるとは思えない

年金の少ないひと 無年金なひと
生活保護も受け入れられない人はどうなるのか

人が収入がなくなるのは、病気をすればあっという間である

老い 病気 貧困 となり
孤独死する人が増えているという

日本が経済大国で日が昇る勢いが終わっていたら
借金だらけというのはいかにも納得がいかない
何がおきていたんだろう

こんなときに財政が出動してこその
国民を守る国とおもうのだが

わたしのクリニックでは幸いやる気のあるPSWが訪問をして介護の人たちとともに
何とか支えているケースが何例かはある

その後どういったふうに老いて
自分で生活していくことのできなくなった老人が

どうなっていくのかは注意して追跡していくつもりではある
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by italofran55 | 2008-08-03 16:14 | 医学