診察室の窓から


by italofran55
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カテゴリ:医学( 90 )

c0156217_1245149.jpg日曜日にNHKで双極性障害の番組をしていて
患者さんが何人か不安定になっておられたので
私の感想を書いておこうと思う

うつが誤診で実は双極性障害であったという点については
そういうこともままあるし
逆に双極性障害の過剰診断もありうるとおもわれる
診断が変わって 治癒される方が多いかといわれると
そのまま薬を続ける人が多い
感情障害の患者数は増えてしまっている
そううつを示すのは双極性障害だけではないのにも注意がいる


治療については 抗うつ薬投与中に
双極性障害の治療薬である バルプロ酸やリチウムは増強療法として結構投与されていることが多い
結局 同じようなことをしていることがある
ただし それだけでは効かない場合や リチウムが全く会わない人もいる
向精神薬を追加しないと収まらないことも結構ある

そしてリチウムやバルプロ酸は新薬というよりもう何十年も前から使用されているものである

番組に出てくる劇的に改善したという患者さんに軽そう状態の可能性もあり
逆に
その場合は周期的に悪化すると思われる 

双極性障害Ⅱ型については 性格行動のそう的成分だけを聞いて医師が決定していることが多い
実際はすくなくとも4日 混合状態なしで 軽そう状態が続くことが必要であるが
確認していなかったり できないことも多い
 
これを示す疾患が パーソナリティ障害 発達障害 統合失調症圏内 にもみられうる

画期的な治療法というのにも注意が必要で
うつの場合は治療環境の整備や病気であるという自覚 休養によって
かなり改善してしまうので
プラシーボ効果がある可能性もあり
その特殊な治療法がきていたかどうかの効果判定は
実は難しい
その検証は行われているのだろうか

抗うつ薬とプラシーボのブラインド試験において
あまり差が出ないことが多いのは有名である
といって 抗うつ薬が効かないというわけではない
治療が早まるし ある場合は必須である

もうひとつ重大なのは
有る脳の部分を刺激したり 操ることにより うつ症状が改善するとあるが
たしかに、調整や脳内物質がうまく流通するようにすることは必要であるが

大事なことが見落とされている
働きたくないという潜在意識や
身体が休養を必要としているときはどうするのかという点である
その場合でもある部分の脳を刺激し続ければ悲惨な結果になり得る

やはり根本的には休養が必要であるし
おそらく新しい治療法に反応しない人は一定の割合で出てくるのではないだろうか

それから脳機能主義というか脳を操ることで症状をコントロールいくという動きにも
必要ではあろうがー不気味なことを感じてしまう

脳に関する自己啓発とでもいうのだろうか
すべてを脳が解決するわけではない

脳の局在主義がこころの問題をすべては解決はできないということについて
いままでもかなりの論争を経てきているように思われる
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by italofran55 | 2012-02-14 19:15 | 医学

よいお年を

私のブログを読んでくださっているかたに
お礼と 新年のご挨拶を

駄文につきあっていただきありがとうございました。
医学の進歩とともに 病気も薬剤も増えていきます

それにわたしたちがあたふた対応しているのに
実際は素朴な健康感覚が薄くなっている感じもしています

disease mongeringー疾病を作り出す という新しい現象さえうまれていると
ある 精神科の教授さえ訴え始めております

たしかに うつ病はあったとしても 抗うつ剤さえなかった時代がほとんどでした
でもこのように多かったのかなとも疑問に思います

疾病と薬剤はパラレルのようにも見えます
疾病が増えれば、対応する技術も増えていきます
より複雑化していくのです
それはやはり避け得ないことだとも思われます

もっと大事なことはいろいろな病気に自分を当てはめることではなく 健康感覚を探してみることでもあるのではないでしょうか 

それは自分の時間というkey-wordがひとつの要素でしょう

よい時間を過ごしている
時を忘れる
時間に追われている
時間のたつのが長い 苦しい
時間が早かったり遅かったりする
せっかちである いつもおくれぎみである

など時間と精神状態は意外に密接な関係を持っています

そんなこともお話ししてみましょう 

では、来年もよろしくお願いいたします。
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by italofran55 | 2011-12-31 20:41 | 医学

うつと対象

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うつの場合は 対象を喪失したときに起こるものがひとつのタイプとして知られている

対象を大事に育ててきた場合は余計に症状がひどくなるだろう

急に対象を失った場合は患者さん本人がそれをわからないこともあり、症状の出方もいろいろなパターンとなる

もともと対象がうまく育っていない人もいるし

なんらかの原因で対象の存在するエネルギーが枯渇して
喪失というより消滅している人もいる

(写真はサルデニャ島の フェニキア人の町の遺跡 紀元前2000年から3000年らしい
 フェニキア人はこのような島の突先に島を作り土地の人たちと交易をして海洋文明をも伝えていったという
機を狙ってはその占拠する土地を広げていった海洋都市国家の先駆者、その後裔にはブラジル生まれの
レバノン人 フランス育ちで日本の国際企業の会長となったゴーン氏などがいる、脈々とその血が流れているのだろうか)
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by italofran55 | 2011-12-15 10:34 | 医学

あなたの対象 

人には対象とともに生きています

または自我 (という近代が生み出した不思議な思惟機能) には対象がいります

対象そのものが、実は思惟行為であるという、(自我はいらない)という説もありますが


簡単に言うと、人はーなにかをもとめる、指向性の集合体、ので、誰かーなにかが必要なのです

誰かが、豊かな人間関係を持つか、または豊かな人に変えるのは、じつはあなたやあなたを育ててくれた人間環境ですが

それ以降、平均的な人間関係を作るには、あなたがよき対象に育てられた後、

逆に

よき対象を徐々に形成、醸成していかなくてはいけません

つまりあなたは、育てられる人から育てる人になるのが動物の一生なのらしいのです

ところが、育てられる、愛されるというところで

なぜか止まってしまう状況が出現することがあります



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(写真はrotondaー円形の建物です、ローマ時代のキリスト教公認以降の時代に建てられたもののようです
不思議な円形の建物です。わたしはこんなRのかかった建物がなぜか好きです。この建物の不思議さは
じつは、戦争の時に防御にいいように建てられているという説があります。上部に小さな窓しかないのがその証拠らしいです。内部にはふるいキリスト教の世界が広がっています。不思議でしょう?)
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by italofran55 | 2011-12-05 21:40 | 医学
c0156217_22234427.jpgうつ病が血液検査で判定できる?
なかなか難しい問題です。

とても便利であるとともに、精神疾患の本体の論争に発展する問題です。
保険の支払基金、または企業の保険組合が、これをクリアしていなければ
うつと認めないと言い出して

しかもその血中物質が判定以下、または認められないのに
患者さんがうつ症状を訴えている場合はどうなるのでしょう
精神症状はそんなに簡単なものでしょうか?

医学的立場を言えば、違ったタイプのうつ病がある
その指標となるindexがあるべきで、それを発見するべきと言うことになるでしょう

もう一つはその血中物質と、精神症状の間に明確な関連があると証明されるかです。
現在、遺伝情報と精神症状の間にはおおきな闇があると考えていい

血中物質がなくてもうつ症状を訴える患者さんの場合
どう診断していくのでしょうか
EBM= evidence based medicine の立場から興味があります。

統計的に遺伝情報と精神症状との間に関連があると思われていても
それで確定診断ができるのは遙かな未来の話と
私は考えます。
もとろん科学と精神症状学はてを携えて行かなくてはいけませんが

追伸 私のブログを読んでくださる、熱心な方達に
    写真の説明を加えることにしました

イタリアのbresciaという町のものです。
ミラノの州の2番目に大きな町です、必然的にイタリアでも大きな工業都市でもあります。
有名なサッカーチームのある町でもあります。
町は日本の常識からすれば小さな町です。
しかし、恐るべきことに豊かな歴史と住みやすさと
悠久の建築物に彩られています。

写真はローマ時代からのジュリア博物館 ローマ時代の住居跡です。
真ん中はfontaine-泉です、現代より数段優れた住居です
日本は永遠このような文明に追いつくことはないでしょう。

そして町を見下ろす小高い山には
ものすごい現代の別邸が見えます。
経済危機のイタリアはこんなに豊かで
こんな町が無数にイタリア半島に点在しています。
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by italofran55 | 2011-08-31 22:24 | 医学

竹脇無我さんの死

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竹脇無我さんが、脳幹出血ー小脳出血で死去されたという
もう昔の話だがいい役者で、年齢を重ねたらどんないい味が出るだろうかと思っていた。

患者さんが私に似ているといってくれた思い出がある
どこがにているのだろう、せいいっぱいお世辞を言ってくれたんだな(笑)

中年期になり、うつを患っているときいたし
うつがよくなったという闘病記もでたらしいが
やはり治りきっていなかったと思われる。

父も自殺したとの話であるし、
すこし躁状態的な時期や言動もあったらしいし
酒に頼っていたともきく

その情報だけから推測するに
ある程度遺伝的な素因がはいっている

軽い躁状態があったことから
双極ーそううつ的な側面があり
単純なうつ病ではない

酒に頼っていたことから
アルコール問題が加わり
精神的 身体的な問題が解決されていなかった

67歳という現在では比較的若い年齢で
脳幹出血を起こしたところから

ひょっとしたら メタボの死の4重奏
高血糖、高脂血症、高血圧、肥満のどれかが
病像に加わっていたとおもわれるーその点で似ていますか(笑)

アルコールを飲み続け、高脂血症から高血糖、高血圧に至ると
ある時点から動脈硬化が加速度的に進むといわれます。

おそらく内因性の精神科的な病気に
内科的な身体的な悪化が加わり

最後は闘病というより
かなり苦しい罹病期間だったように
おもわれます。

精神科の場合、ある病気が重いと
自分でコントロールすることは困難になってしまいます。
その意味で、長期の入院が必要だったのかもしれません。

ご冥福をお祈りいたします。 とても好きだった俳優さんへ
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by italofran55 | 2011-08-25 21:19 | 医学

記憶の書き換え

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昔のことを思い出しますね
確かにあーだった、そのときこう思った
記憶は確かですか? 思い出せましたか?

正確な記憶は、残念ですが存在しません
あなたが正確だと思っているだけなのです。

その証拠にあなたが年をとって脳の機能が落ちれば
記憶もあやふやになり、そして消え去ってしまいます。

そう 記憶はあなたが常時、あなたの現存の能力で
書き換えられているのです。

小学校の同級会にでたことがありますか
ほとんど、だれだったのかわかりません

君はこんな奴だったよねと言われると
そうだな とも いや自分の自己像と違うとも思えます
しかし 集団的記憶というものはあるのかもしれません

昔話をしますね、あるいは精神科医は原因を探ろうとして診察したりしますね
そのことを 事実確認的行為ーconstative というようですが
それは実は不可能で

実際行っていることは
行為遂行的ーperformative
なことかもしれません、

実際私の周りにいる優れた医師は
話を聞いているようでいて
何らかの示唆を質問の中にこめています

話をしているうちに、知らないうちに
私たちは記憶を書き換えている

怖いと思いませんか?
記憶は現在、あなたの実存にしか存在しない
あなただけのものだなんて
(写真 ミラノ近郊の 丘の上の町 ベルガモの有名レストランが 発展してこんなに素敵な
    小さなホテルになりました、日本から来ている若いシェフがいました、放射能の日本に
   帰るべきか、悩んでいました。)
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by italofran55 | 2011-08-06 21:39 | 医学

柔軟性というkey word

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創造的とか柔軟性とか communication能力とかいう言葉が
現代に要請されるabilityとしていわれて久しい

では柔軟性という言葉を
私なりに解釈して
それが、どんなイメージで現代に受け止められている可能性があるが
考えてみよう。

やわらかい やわらぎ という要素
ショックを受けとめる、ショックを与えない

傷つきにくい 傷を受ける時間的なまたは空間的な余裕がある
固いの反対なので、簡単に折れにくい

常に勝っている感じではない
むしろ 勝利の方程式という陳腐な言葉は似合わない
勝利にあたって、最低限の資源から最高の効率を引き出す可能性がある

勝ったり負けたりするが致命傷は負わず
最後に相手にも致命的なダメージを与えずに勝つことが多い

若い、しかし若さだけで突っ走らない
老練である、

暴力的でない、暴力や直線的な力を吸収するか
利用してしまう

赤ちゃんの身体は柔軟だ
若さと関係がある
老化と固くなる、脆くなるということは精神的にも生理的にも同義のようだ

レジリアンスという言葉が2年ほど前精神科の世界ではやった
病気からの回復力
たわみからの戻りやすい力を指すらしい病気に対する抵抗力とどこかで概念が重なっている
単に変形しやすいだけではidentityがなくなってしまう
変形しやすいが元に戻る力を保っていることが必要だろうc0156217_029095.jpg
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by italofran55 | 2011-07-16 00:29 | 医学

かわいさ余って憎さ百倍

最近 よくありますね
好きが昂じて 相手をどうにかしてしまう事件

可愛いとか 好きだとかが相手されないと
逆のことをして、相手も自分にも最悪のことを起こしてしまう。

そう、愛憎や好悪は同じ中枢の別の面が演出しているのかもしれません

感情もそういったものですね
そうとうつも 実は近いところにあります
私のところにくる悩みを見ていますと
根本は 感情の不安定性にあることが多いのです。

社会的に上部に行く人を見ていますと
じつに感情面で安定している または安定しているように見える人が多いです
いったん偉くなると不安定性が噴出してくる人も多いと思いますが

認知的に言って感情を技術的に安定させることは
社会的に得なことです
感情を放恣にすることはまた
周囲の人間にとって破壊的な脅威にさらされる
危険もあります。

わたしはひねくれ者ですから
得なことが魅力的なこととは思いませんが。

プラスとマイナス 陰と陽
それらは現象の表裏であり
それらが組み合わさって

目も彩な世界が描き出される
テレビの裏を分解しても
中枢神経をどんなに精緻に分解していっても
あるのは 陰と陽を表現する機械だけなのでしょう

禍福はあざなえる縄のごとし
ものは考えよう
人はその人のもっとも得意なことで挫折する

昔からいろいろなことわざや
言い伝えでこの世界を強く生きる術を伝えようとしてきましたが
現実はそううまくいきませんよね

あなたやわたしが困ったときどうすればいいのでしょうか
だれかが自分を温かい目で見てくれて

表裏のことや
すこしでも安定化するなにかを教えてくれたらいいですね
それは 長老の目とでもいうのでしょうか

そんなひとがいたらいいと思います。
いいお医者さんや
暖かいカウンセラーは年齢でなくそんな眼を持っているのでしょうけどね

残念ながら
僕には無理のようですけど。
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by italofran55 | 2011-06-13 23:07 | 医学
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自分で過去を振り返ると

自分なりの歴史があり
自分なりの足跡がある

よくやってきたという人や
幸運だったという人もいる

そうでない人もいる

そうでない人は
ちがう物語で人生を見てみたら
どうかな

自分の知らない物語を
語ってもらうのも
いいかもしれない
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by italofran55 | 2011-05-31 23:59 | 医学