人気ブログランキング | 話題のタグを見る

診察室の窓から


by italofran55
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

人の死を悼む

永井荷風の死の写真をNHKーTVでのせていた

自室での写真まで当時の新聞には載っていたらしい

三島の最後の写真と好対照であるが、

現代の新聞にこういったものが掲載されうるのか疑問である

荷風は胃潰瘍の出血で窒息死という

私は脳出血かと思っていたので意外ではあったが

その孤独の死において、当時の文人の間で論争が起きていた

あるいは褒め あるいは毀損している意見である

だがこの死に方はおそらく現代において予言的であるかもしれない

老人が一人で死ぬことはもはや普通のことであるかもしれないからだ

死に関していえば

現代日本においては非情にも意味のわからない大量殺人において
なくなられる方がいる

これに関していえば

桜井という女性評論家が
すべて憲法のせいであるという意見を述べていて
かなり的外れに感じた
逆に人の心まで変えられるものであれば
こわいだろう

東工大の心理学者は憲法を治したからといって
その現象は減らないと主張していた

明治憲法下においては日本人 非日本人を問わない、大量虐殺が起きている

江成常夫という写真家は
鬼哭の島という番組にて

パラオの島に無数の日本兵が放置されていることを引き合いに

死を悼むことの教育について語る

なぜ人を殺してはいけないんですかという
日本の子供のテレビの質問に

仏教国でないある国の人は
口をあんぐりしたという

人の死は悼むべきである

たとえ死刑囚でも

人を殺すことに
法が立ち入るべきではないのではないか

荷風の死は
幸福な死であろう

戦争に殺されること泣く
人を殺すことなく
病気で死んだのであるから
by italofran55 | 2008-08-14 00:07 | 文学