診察室の窓から


by italofran55
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フロイトのうつ論文

いつも、おりにふれて読んでいる
うつの精神病理の第一人者がいる
さすがにこのところ鼻についてきたが
講演も聴くと
すばらしい人なんだなと気がつく


私はフロイト読みではないが
そんな人が進めていた
フロイト唯一のうつ論文が

メランコリーと悲哀 である
読んでみて
驚く

そのimaginationは、その後のうつ論のすべてを
包含していると言っても不思議でない。

なぜこの人が、こんなに素晴らしい着想を持つのかと思う
それは、ある意味で現象を疑う所作でもある

双立性という言葉が頻繁に出てくるが
それは、あたかも
フロイトの思考の本質を表しているともいえる

双立性 なんと両価性と似た言葉だろう

その時代
自我を発見する、または近代自我の構造を

それはある共通性 共時性の発見であるが

そこに逆説がある

個性や個別性の奥に
共通してしまう、非個人性や普遍性を見てしまう

最先端を行っているようで
古典である
個人のメカニズムを語っているようで
種 全体のメカニズムを縦横に語る

個人はあるようで無い

私の欲望は、私の欲望でなく
あなたの欲望である

この激しい人間分析の欲望の背後になにがあったのか
知りたいと思う

意外に 旧約聖書やユダヤ人の長い思考経路が出てくるかもしれない

個人の苦悩の果てに
集合が出現する
あるいは、集合があって個人が派生する

あたかもフロイトの時代
個人を否定した
全体主義の時代が
非情な相貌をまとい
出現した

現代は全体主義の残滓と戦っている
それゆえに
個人も確定できないがのごとく

個人が確定できない苦闘の時代に
あわせて
うつといわれる大量の
精神障害が出現してきた


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by italofran55 | 2011-03-09 23:11 | 医学