診察室の窓から


by italofran55
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不思議な教授

写真を見ると 髪がぼさぼさで 逆立っている
度の強い丸めがねをかけ
いっけん、病気のような感じも受けるが
えも言われない愛嬌がただよう

愛知医科大精神科の教授 兼本祐浩さんである

てんかんのことでよくでてくるし
フロイド全集も第1巻を訳していたり
精神病理にも詳しい

幅が広くて、どんな人なんだろうと
思っていたところ
パキシルやラミクタール といううつの薬を出している
グラクソというメーカーから 講演会があるのできませんかというお誘いを受け
好奇心が強いので出席をした

てんかんのお話であったが
まことに簡潔で要領を得て
博識で、臨床のこつに満ちた
すばらしい講演であった

ひとがらは、予想したとおり
ユーモア、博愛、研鑽、といった学者の本随を表すような
ひとであった

出かける前に 兼本祐浩で検索すると
イマーゴという雑誌に書いていた
論文集に出会う

もともと広い興味を持つ人ではあろうが
生物学的医学としてはてんかんの研究が専門
ふつうはその対極にある心理学にまで範囲を広げる医師は
まずいない

また詩人でもあり詩集も2冊出している
一冊をもとめた、届くのが楽しみである

論文は
てんかん性のもうろう状態とヒステリー(解離性)のもうろう状態との
異同を、医学的ー器質ー機能的観点と
     精神分析的観点から
     追求しておられる
1920年代のドイツ精神医学界では、てんかんのもうろう状態を
かなりの興味で分析的観点から見ようとしていたというのだ
左手に精神分析 右手に実証的てんかん学
中央にそれらをまとめるべく、トポス、存在論などで
まことに深遠な論文であった

氏はおそらく、30数年前より
精神症状と身体症状のつながりに興味を持ち
そのころは古典的ヒステリー論より出立することが多く
氏の異様に幅広い医学的出発点は ドイツ留学も含め
この辺にあったのだろうと
納得した次第である



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by italofran55 | 2010-06-06 10:39 | 医学