診察室の窓から


by italofran55
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語らざれば、憂い なきに似たり



君看よや 双眼の色
語らざれば 憂い無きに似たり

良寛さんの書だそうです

前後がわからないので
自分なりに意味を考えてみる

不満や不安を言葉に出して人とはなさないことだ
そうすれば、悲哀は無いようなものだ
眼を見てもわからないでしょう?

逆に考えると
話さなければわからない
いつまでも憂いは残る 余計に苦しいかもしれない
眼を見ればわかるよね 苦しみが出ている

どちらでしょうか

自分のことを、語らないー語れない時代がかってありました
そのときはいわゆる身体化した症状が多かったでしょう
そのころはお寺に行ってひたすら
念仏を唱えたのでしょうか

フロイドがヒステリーを治療したころは
人が身体症状を医療として語り始めたころでしょうか
子供もそうですよねー言語化できないから身体に表れる


現代、特に私の科では
話すことが原点ですが

語れるー語る 主張できる時代になり
身体症状が多かった精神科も
しだいに精神症状が多くなり

極端に語れる現代において
アメリカなどから
むしろ自己が解体する症状ー自己同一性障害、解離性障害 多重性人格障害などのみられる時代になりました

自己が言語表現を過剰に許されるようになると
かえって自分を見失ってしまうともいえましょうか

不満や攻撃だけを繰り返し(特に人間関係)
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主題としていると
病気にもよりますが
その人はそのままでは、おおきな改善や成長は見込めません

ただ話さなければ、それ以降の
治療方針や見込みはわかりませんが

あることを語らないようにしていくことで
その後の改善につなげる方法もあると思うんですよ

そこに東洋の知恵があるとも思います
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by italofran55 | 2010-01-19 08:13 | 医学