診察室の窓から


by italofran55
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診断の百年

慶応の浜田前助教授のグループである

退行期メランコリー、遅発性緊張病 の研究、主張の論議が活発である

素人には何のことかわからない

老人のうつ病と明らかに違う妄想的病気が存在し
100年前のクレペリンというドイツの精神病理学者からの
メッセージが復活しているという現代の再提案である

精神科は恐ろしく奥が深いとともに
われわれ一般の臨床をしている医師にとって
診断さえも100年たって定まらないことに
軽い絶望を感じる

精神科の世界では
結構診断名や、診断の範疇そのものがなくなってしまうことがよくあるのだ

しかし、症状や、患者さんは厳然として存在する

うつ病の精神療法に対する考え方も
本当にさまざまである

前帝京大学の精神科の助教授である内海氏は
結局は精神分析のうつ病に対する精神療法の絶望から
認知療法が生まれたのであろうと述べておられる

言葉による論理的治療があるところで
途絶し不可能となる

そこからは薬物治療や感情の一定の深さー安定性を前提とした
認知療法の出番である

ともにうつに対する
人間的対処の絶望からの出立とはいえないだろうか

うつ病の治療に対する光明はないのか

ないだろう

ひとは光明と
ある絶望を抱えてしか生きていけないのだ


ある哲学者が
人の本態は
世界に投げ込まれているとともに
感情ー情態を帯びた存在であるという
そして死が宿命づけられている存在であるとのこと

不安はまさに普段忘れている
死を覗き込んだときから発生しているとも言う

精神科の治療は無意識に希望と絶望の隘路
生と死の隘路からなりたっている

おそらく

そしてふだんはそのことに気がつかないのだ
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by italofran55 | 2009-06-19 00:09 | 医学