診察室の窓から


by italofran55
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抗うつ薬は攻撃性を増すか?

抗うつ薬は攻撃性を増すから注意という番組をまた

NHKが流していた

いくつか疑問点があった

SSRI以外の抗うつ薬でも攻撃性の出現はあるとはいわれている
薬のせいなのか、そう状態への転換の引き金を引いただけかは結論は出ていないと聞く
そう状態で妻を襲ったというが? 殺人未遂のような笑えない暴行はあまり聞いたことがないが
とんまな暴行未遂は結構ある

また躁うつ病だったのにうつ病と誤診されたいたという
これは誤診なのだろうか

現代精神医学の創始者といわれる、クレペリンに帰ろう運動ーうつ病は躁うつ病という循環性の気分障害のひとつであろう
というきわめて現代的な提案さえあり

結果的には同じ診断を下しているだけということもある

誤診ではなく、治療手段の見解の相違であろうか

躁うつ病のうつの極期に抗うつ薬だけは
確かに危険であろうが
誤診というのは乱暴なのではないだろうか

ある女性がSSRIをのんで
コントロールを失ったといっていたが

コントロールを失い かつ
うつと似た症状を示す病気は

重要な精神科の疾患として
べつにもある

いくつかののパーソナリティ障害はそもそも
すべてが自分のコントロール下にないときがすまない性向をもつ

そしてコントロールは破綻しやすいので
そうしたときに、きわめて情動不安定な状態を示す

また解離性障害ー昔の言い方でいえばヒステリーも
自分が何をしていたかわからなくなる

こちらの二つは経験の少ない心療内科などでは
うつと誤診しやすいかもしれない

そうするとSSRIの結果と思われる症状も
原疾患からくるものかもしれないのである

もちろんそれらの疾患に対する
たんなるSSRIの投与は
あまりに単純な治療であるといえる

安易なSSRIの投与には
もちろん反対であるが

またまたこうしたいろいろな角度からの検証を欠いた知識で
一般視聴者に不安を与える番組には
どうかなと思うのである


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by italofran55 | 2009-06-01 20:44 | 医学