診察室の窓から


by italofran55
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不安とうつの関連

不安ー抑うつ状態 という診断はむかしよくつけたものである

しかし、診断ー治療をデジタルで管理しようというこのごろの流れの中で
・・状態は許されなくなり、
ICD-10という国際分類を召請される厚生行政の中にあって
次第に死語となりつつある

それはいいことでもある

では不安と抑うつの関係はどうなのか
簡単にいえば、不安はさまざまな精神障害に先行しているといえるであろう

急激に発症する統合失調症、うつ病にはおそらく
強度の不安、一見表面に現れない不安が先行している
一般の不安と違いそれらは
精神病的不安とも言われるが

前駆期とも言われる時期に
実は仔細に観察されうるものなのかもしれない

うつ病もある、消耗の時期があるであろう
それは不安期とも言ってよいであろう

不安が古代は人の群れのレーダーであった時期があり
食物の過剰摂取が飢餓への備えであったときに
高血糖は適応能力をむしろ現していることであったように

現代においてその行き過ぎた表現型は
高血糖ー糖尿病となり

過剰な不安ー統合失調症となっているのかもしれない

では、不安ー抑うつの先行は不安であろうか

抑うつ状態の薬物的治療は現代においては
アドレナリン、ノルアドレナリン、セロトニン、神経細胞間隙における増加を目指している

ところが不安を解消しない限り
この戦略は失敗に終わることがありうる

不安の精神薬理学においては
GABA-ノルアドレナリン系の過活動
セロトニン系の過活動が理論上指摘されうるからである

不安を解消しない限り
ノルアドレナリン セロトニンといった神経伝達物質の増加を図る活動は
どこからかこぼれていってしまう可能性があるのである

このことによって
私たち精神科医が

先行して不安を解決するーそれは薬だけの手段ではなく
環境調整や 休養 不安への対処方法の開発によって
不安解消の必要性が
患者ー治療者complexに要求されるのである

不安を解決しないままにうつ状態の解決に失敗し
むしろ悪化させることは
よく知られたことであろうと思われる
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by italofran55 | 2009-01-26 00:05 | 医学